巷では、このような噂が頻繁に流れています。
確かに、世の中には宅建を短期合格を果たされた合格者も存在します。
実際に短期合格者で知られる2名の方のエピソードを紹介します。
一人目は、2012年1月に放送された、NHKの「資格はばたく」で、三日間の勉強期間で受かった受験生です。
この方は、アパマンショップ三軒茶屋の店長でした。
多忙な業務の中、直前まで勉強ができずに、本番直前の3日間は、ほぼ睡眠をとらずに臨んだとのことです。
テキストを見る時間などなかったので、過去問を3周回した過去問オンリー勉強で挑んだそうです。
その結果、ギリギリ合格を果たします。
二人目は、LEC行政書士講座の講師として有名な横溝慎一郎氏です。
2008年に一週間の勉強で宅建に合格しています。
この二人の受験体験談を聞いて、今までに宅建を受けたことがない方は、「宅建って簡単に受かりそうだな」という印象を受けたでしょうか。
確かに、3日間、1週間という表面的な数字だけを聞けば、あたかも容易く合格できる試験のように感じるでしょう。
でも、前提条件を忘れてはならないのです。
一人目のアパマンの店長は、業務に精通しているため、宅建業の知識があるわけです。
また、5点免除システムを使って受験したかもしれない可能性も考えられます。
5点免除制度を使っていれば、残り科目で6割程度取れれば合格できるのです。
二人目の横溝氏は、2000年に行政書士試験に合格している上に、行政書士講座を担当していたので、民法も熟知していますし、受験のテクニックも精通しています。
このように、合格者の背景を想像・理解した上で、試験の難易度を考察することが大切です。
一方宅建の場合は、「楽勝に受かる」といった類の体験談のソースは、顔の見えないネット上であることがポイントです。
匿名性の書き込みからは、信憑性が非常に低いのです。
ですから、鵜呑みにして、本番直前まで手をつけない勉強観は危険すぎます。
寓話アリとキリギリスではないですが、最後にはコツコツ継続し続けてきた努力型の人間が、峠を越えられます。